陶器 うわぐすりをわかりやすく
陶器のうわぐすりは、わかりやすく表現すればガラス質の液体のようなものです。陶器は主に粘土を原料にして作りますが、素焼きにするだけでは、表面は水を通しやすい状態になってしまいます。このため、水に強くするために何らかの工夫を施す技術が開発されました。
素焼きの後にはうわぐすりを付けて、再び焼き上げることによって、液体のガラスが硬い状態に変化します。こうすることで、粘土を原料にする陶器は水に強くなるため、高温多湿の夏場に使用する場合でもカビが発生しにくくなるわけです。
うわぐすりの原料になるのは、ケイ酸や各種の金属酸化物です。これらを絶妙な分量で調合することで、緑や青などの鮮やかな色彩を作ることができます。表面をガラス質で覆うのは実用的な目的ですが、同時に装飾性が高まるなどの利点も生まれます。高温で焼き上げる段階で、ガラス質の液体が滴るように流れて、表面に美しい模様が生まれることがありますが、これは偶然に生まれる産物としても有名です。