陶器の素焼きをわかりやすく表現
素焼きをわかりやすく表現すると、ガラス質の釉薬を使わずに焼き上げた陶器ということになります。原始的な陶器と呼ぶことも可能で、同系統の作品では古代の縄文土器や弥生土器が有名です。
原料の粘土をこねてからは、手作業で皿や壺などの形を作り、乾燥後には比較的に低温の温度で焼き上げるのが基本的な工程です。焼成温度が低いこともあって、表面の素地は水分や空気を通しやすい状態になるのが特徴です。さらに、手で触ったときの質感は明らかにザラザラしています。
現在では食器として使うことは限定的で、多くは植木鉢の素材として使われています。素焼きの植木鉢の中には園芸用土を加えて使うと、通気性が良いことで蒸れにくくなるため、日本の夏の蒸し暑い気候に適しています。
陶器の土鍋の例では、内部は釉薬を使いながらも、直接に火が当たる部分は素焼きになっています。ビールのタンブラーの例では、内部だけは釉薬を付けないようにして、泡立ちをよくする工夫も見られます。