陶器の原料は、わかりやすく言い換えれば粘り気のある土ということになります。粘土と呼ばれることが多く、砂よりも細かい粒子が特徴で、よく練ると変幻自在の形に変化する特徴を持っています。
磁器にも粘土を使いますが、岩石から採取する陶石を使うため、成分には長石や珪石などが多くなります。こうした特徴があるため、陶器を土物と呼ぶのに対して、磁器は石物として区別するようになりました。
粘土は日本の至る所にあるため、陶器は全国規模で作られています。縄文時代から弥生時代にかけては、粘土を使った土器が生産されていました。その後には大陸からの技術も取り入れながら、地域ごとに特色のある粘土を使う伝統も生まれることになります。
粘土の粘り気は含有する成分によって変化するもので、最終的には作品の個性を生み出す要因にもなっています。最初は柔らかい粘土は、最後に焼き上げるとカチカチに硬い陶器に変化するように、人間の工夫次第で質感が激変する特徴も持っている素材です。